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エムポックスウイルスの電子顕微鏡画像=米疾病対策センター(CDC)提供

 2022~23年、欧米を中心に世界的に猛威をふるった感染症エムポックス(サル痘)について、発症後にウイルスが検出される期間が20~50日程度と数倍の個人差があったと、名古屋大などの研究チームが発表した。こうした個人差をふまえ、感染拡大と病床逼迫(ひっぱく)を防ぐための隔離期間を計算する手法を開発。今月緊急事態宣言が出た別系統のウイルスにも対応できる可能性があるという。

 エムポックスウイルスに感染すると、発疹やリンパ節の腫れなどが現れる。ウイルスは大きく2系統に分かれ、アフリカ中部を中心に確認されているⅠ系統についてWHO(世界保健機関)は今月14日、感染拡大の緊急事態を宣言した。

 一方、Ⅱ系統のウイルスは欧米を中心に22~23年に感染が拡大して緊急事態宣言が出た。その間に111カ国で8万人超が感染。日本でも今月16日までに248人が感染し、1人が死亡している。

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